第11章 非可換トーラス:回転から生まれる座標環
Core — 円周の回転という具体的な力学系から、非可換トーラス、交叉積、群 \(C^*\)-環、trace、導分、K群を組み立てる。
11.1 なぜ「トーラス」を非可換にするのか
通常の2次元トーラスは
\[ \mathbb T^2=\mathbb T\times\mathbb T,\qquad \mathbb T=\{z\in\mathbb C:|z|=1\} \]
である。二つの座標関数
\[ u(z,w)=z,\qquad v(z,w)=w \]
は unitary であり、可換する。
\[ uv=vu. \]
Stone–Weierstrass定理により、\(u,v\) とその共役から作る三角多項式は \(C(\mathbb T^2)\) に一様稠密である。したがって \(C(\mathbb T^2)\) は「二つの可換する unitary が生成する普遍的 \(C^*\)-環」として記述できる。
ここで可換関係だけを位相因子つきに変形する。
\[ UV=e^{2\pi i\theta}VU,\qquad \theta\in\mathbb R. \]
この関係を満たす二つの unitary が生成する普遍的 \(C^*\)-環を \(A_\theta\) と書く。本章の規約ではこれを rotation algebra、または2次元非可換トーラスと呼ぶ。
この定義の意味は、単に積を「少し非可換」にしたというだけではない。関係式は円周上の回転、磁束をもつ並進、変形量子化という三つの像を同時に持つ。本章では最も作用素環的な、円周の回転から出発する。
11.2 円周の回転から交換関係を導く
\(\mathbb Z\) が円周に角度 \(2\pi\theta\) の回転で作用するとする。関数側の自己同型を
\[ \alpha(f)(z)=f(e^{2\pi i\theta}z) \]
と定める。点への作用と関数への作用は反変なので、文献によって \(\theta\) の符号が逆になる。本章は上の式を規約とする。
この作用を実装する unitary \(U\) を形式的に導入し、
\[ UfU^*=\alpha(f)\qquad(f\in C(\mathbb T)) \]
を要求する。座標関数 \(V(z)=z\) に適用すると
\[ \alpha(V)(z)=e^{2\pi i\theta}z=e^{2\pi i\theta}V(z) \]
だから
\[ UVU^*=e^{2\pi i\theta}V, \qquad UV=e^{2\pi i\theta}VU \]
を得る。したがって
\[ A_\theta\cong C(\mathbb T)\rtimes_\alpha\mathbb Z. \]
右辺は交叉積である。交叉積は、関数 \(f\) だけでなく、その空間を動かす対称性 \(n\in\mathbb Z\) と、両者の共変関係も一つの代数へ格納する。
[証明の概略] 交叉積の普遍性により、\(C(\mathbb T)\) の表現と \(\alpha\) を実装する unitary の共変表現は、\(C(\mathbb T)\rtimes_\alpha\mathbb Z\) の表現と一対一に対応する。一方、\(A_\theta\) の表現は関係式を満たす unitary \(U,V\) の組と一対一に対応する。\(V\) の連続汎関数計算が \(C(\mathbb T)\) の表現を与えるので、二つの普遍性は同じ表現問題を記述する。[Williams Crossed; Davidson]
11.3 \(\theta=0\):通常のトーラスへ戻る
\(\theta=0\) なら
\[ UV=VU. \]
二つの可換 unitary の joint functional calculus により
\[ A_0\cong C(\mathbb T^2). \]
これは「非可換トーラス」という名前の最初の根拠である。\(A_\theta\) は \(C(\mathbb T^2)\) の関係式を連続パラメータ \(\theta\) で変形している。
ただし、\(\theta\to0\) と書いただけで \(C^*\)-norm の意味で \(A_\theta\) の元が自動的に \(C(\mathbb T^2)\) の元へ収束するわけではない。連続体としての変形や strict deformation quantization を述べるには、連続体構造と共通の滑らかな部分空間を別途構成する必要がある。[Rieffel 1981; Connes NCG]
また
\[ e^{2\pi i(\theta+n)}=e^{2\pi i\theta}\qquad(n\in\mathbb Z) \]
なので \(A_{\theta+n}=A_\theta\) は同じ普遍関係を持つ。パラメータは少なくとも \(\mathbb R/\mathbb Z\) で考えるべきである。
11.4 具体的なHilbert空間表現
\(\ell^2(\mathbb Z)\) の標準基底を \((e_n)_{n\in\mathbb Z}\) とする。作用素
\[ Ue_n=e_{n+1},\qquad Ve_n=e^{-2\pi i n\theta}e_n \]
を定めると、どちらも unitary であり、
\[ UV e_n=e^{-2\pi i n\theta}e_{n+1}, \]
\[ VU e_n=e^{-2\pi i(n+1)\theta}e_{n+1} =e^{-2\pi i\theta}UV e_n. \]
よって
\[ UV=e^{2\pi i\theta}VU. \]
この表現は、\(U\) が格子上のshift、\(V\) が位置に依存する位相を掛ける作用素であることを示す。位置と運動量のWeyl交換関係の離散版と見ることもできる。
普遍 \(C^*\)-norm の存在は、少なくともこの具体表現があるというだけでは終わらない。すべての関係式表現における作用素normの上限を取り、それが有限であることを確認して普遍completionを作る。unitary の語はすべてnorm \(1\) なので、この場合は標準的な普遍 \(C^*\)-環の構成が適用できる。
11.5 Fourier級数と滑らかな非可換トーラス
形式的には \(A_\theta\) の元を
\[ a\sim\sum_{m,n\in\mathbb Z}a_{m,n}U^mV^n \]
と展開したくなる。有限和については、交換関係から
\[ (U^mV^n)(U^pV^q) =e^{-2\pi i\theta np}U^{m+p}V^{n+q} \]
となる。本章の \(UV=e^{2\pi i\theta}VU\) という規約から \(VU=e^{-2\pi i\theta}UV\) が出るため、この符号になる。
係数が急減少する級数全体
\[ \mathcal A_\theta= \left\{ \sum_{m,n}a_{m,n}U^mV^n: (a_{m,n})\text{ は }\mathbb Z^2\text{ 上で急減少} \right\} \]
は稠密な Fréchet *-部分代数をなし、smooth noncommutative torus と呼ばれる。微分、巡回コホモロジー、スペクトル三つ組を扱うのは通常 \(C^*\)-completion \(A_\theta\) 全体ではなく \(\mathcal A_\theta\) である。 第9・10章で用いた記法 \(A_\theta^\infty\) はこの \(\mathcal A_\theta\) と同じ代数を指す。
ここは重要な区別である。
- \(A_\theta\): norm と連続性を担う \(C^*\)-環。
- \(\mathcal A_\theta\): 導分を何度作用させても閉じている「滑らかな関数」の代数。
可換な場合の \(C(\mathbb T^2)\) と \(C^\infty(\mathbb T^2)\) の違いが、そのまま非可換側にも残っている。
11.6 標準trace
有限Fourier和に対して
\[ \tau\left(\sum_{m,n}a_{m,n}U^mV^n\right)=a_{0,0} \]
と置く。これは積の定数項を取り出す操作である。
命題. \(\tau\) は \(A_\theta\) 上の faithful tracial state に延長する。さらに \(\theta\notin\mathbb Q\) なら、\(A_\theta\) の tracial state は \(\tau\) だけである。
[証明の概略] 交叉積表示で、標準条件付き期待値
\[ E:C(\mathbb T)\rtimes_\alpha\mathbb Z\to C(\mathbb T) \]
は \(\sum_n f_nU^n\) の \(n=0\) 成分を取る。これと円周上のHaar積分を合成すると \(\tau\) を得る。群 \(\mathbb Z\) は amenable なので reduced と full の交叉積が一致し、標準期待値の faithful 性から \(\tau\) の faithful 性が従う。irrational rotation は一意エルゴード的であり、trace を \(C(\mathbb T)\) に制限すると \(\alpha\)-不変確率測度になる。さらに交叉積の係数に対するtrace条件を用いると非零次数成分は消え、一意性が従う。詳細は Rieffel (1981) または Davidson を参照する。
\(\theta\in\mathbb Q\) では一意性は失われる。したがって「非可換トーラスには常に一意のtraceがある」と書いてはいけない。
11.7 二つの方向の微分
\(\mathbb T^2\) は \(A_\theta\) に gauge action
\[ \beta_{(s,t)}(U)=e^{2\pi is}U,\qquad \beta_{(s,t)}(V)=e^{2\pi it}V \]
で作用する。この作用について smooth な元がちょうど \(\mathcal A_\theta\) である。二つの1パラメータ部分群を微分して
\[ \delta_1(U)=2\pi iU,\qquad \delta_1(V)=0, \]
\[ \delta_2(U)=0,\qquad \delta_2(V)=2\pi iV \]
を得る。一般のFourier級数では
\[ \delta_1(a)=2\pi i\sum_{m,n}m\,a_{m,n}U^mV^n, \qquad \delta_2(a)=2\pi i\sum_{m,n}n\,a_{m,n}U^mV^n. \]
これらは Leibniz 則
\[ \delta_j(ab)=\delta_j(a)b+a\delta_j(b) \]
を満たす *-derivation である。可換トーラス上の \(\partial/\partial x\)、\(\partial/\partial y\) に対応し、点を使わずに「二つの接方向」を復元している。
\(A_\theta\) 全体では \(\delta_j\) は bounded ではなく、通常 unbounded derivation である。定義域を \(\mathcal A_\theta\) などに指定せず「\(A_\theta\) 上の有界作用素」と扱ってはいけない。
trace と導分は
\[ \tau(\delta_j(a))=0 \]
を満たす。これは通常のトーラスで偏微分の積分が0になることの非可換版である。
11.8 Dirac型作用素との接続
Hilbert空間 \(L^2(A_\theta,\tau)\otimes\mathbb C^2\) 上で、\(\mathcal A_\theta\) を左乗法で表現する。Pauli行列 \(\sigma_1,\sigma_2\) を用いて
\[ D=-i(\delta_1\otimes\sigma_1+\delta_2\otimes\sigma_2) \]
と置くと、適切な共通稠密定義域上で
\[ [D,a]=-i\bigl(\delta_1(a)\otimes\sigma_1+\delta_2(a)\otimes\sigma_2\bigr) \]
となる。\(a\in\mathcal A_\theta\) なら右辺は bounded である。これは非可換トーラスの標準的な spectral triple の核である。
完全なspectral tripleを主張するには、\(D\) の自己共役閉包、compact resolvent、grading、実構造などを確認する必要がある。本節は交換子が微分を実装する仕組みだけを示した。[Connes NCG; GBVF]
11.9 irrational rotation algebra
\(\theta\notin\mathbb Q\) のとき \(A_\theta\) を特に irrational rotation algebra と呼ぶ。円周上の各軌道
\[ \{e^{2\pi in\theta}z:n\in\mathbb Z\} \]
は稠密である。この極端な軌道構造が、次の性質につながる。
定理. \(\theta\notin\mathbb Q\) なら \(A_\theta\) は simple であり、一意の tracial state を持つ。
ここで simple とは閉両側idealが \(0\) と \(A_\theta\) だけという意味である。一つの稠密軌道しかないという意味ではない。実際には軌道は無数にあり、どれも稠密である。
[証明レベル] 一意traceは11.6節で概略を示した。simplicity の完全証明は本章では行わない。自由かつ minimal な \(\mathbb Z\)-作用の交叉積の simplicity 定理、またはFourier係数を用いる rotation algebra 固有の証明に依存する。[Rieffel 1981; Davidson]
\(\theta=p/q\in\mathbb Q\) では \(U^q,V^q\) が中心に入り、simple ではない。rational case は \(C(\mathbb T^2)\) と強Morita同値な連続trace代数として理解できるが、一般に何の説明もなく \(M_q(C(\mathbb T^2))\) と同一視してはいけない。
11.10 K群は何を検出するか
非可換関係は \(\theta\) に依存するが、K群は
\[ K_0(A_\theta)\cong\mathbb Z^2,\qquad K_1(A_\theta)\cong\mathbb Z^2 \]
となる。これはすべての \(\theta\in\mathbb R\) について成り立つ。
\(K_1\)
\([U]\) と \([V]\) が二つの基本方向を与える。可換な \(\theta=0\) では、これは \(\mathbb T^2\) の二つの円周方向の winding class である。非可換化しても二方向のK類は残る。
\(K_0\)
\([1]\) に加えて、irrational \(\theta\) では Rieffel projection の類が第二の生成元を与える。標準traceが誘導する準同型
\[ \tau_*:K_0(A_\theta)\to\mathbb R \]
の像は
\[ \tau_*(K_0(A_\theta))=\mathbb Z+\theta\mathbb Z \]
である。生成元の選び方により \((m,n)\mapsto m+n\theta\) の符号は変わり得る。ordered \(K_0\) まで述べるなら、irrational \(\theta\) に対し正錐がこのtrace値の正性で記述されることを、規約とともに示す必要がある。
定理(K群の計算). \(A_\theta=C(\mathbb T)\rtimes_\alpha\mathbb Z\) に Pimsner–Voiculescu 六項完全列を適用すると、\(K_0(A_\theta)\cong K_1(A_\theta)\cong\mathbb Z^2\) を得る。
[証明の概略] 回転 \(\alpha\) は恒等写像にホモトピックなので
\[ \alpha_*=\mathrm{id} \]
が \(K_0(C(\mathbb T))\cong\mathbb Z\) と \(K_1(C(\mathbb T))\cong\mathbb Z\) の両方で成り立つ。Pimsner–Voiculescu列の \(1-\alpha_*\) は0になり、二つの短完全列
\[ 0\to\mathbb Z\to K_i(A_\theta)\to\mathbb Z\to0 \]
を得る。右端の \(\mathbb Z\) は自由群なので列は群として分裂し、\(K_i(A_\theta)\cong\mathbb Z^2\) となる。
これは六項完全列を既知として用いる証明である。一方、Rieffel projection の具体式、正錐、trace range の完全な導出はここでは行わず、専門文献に依存する。[Pimsner–Voiculescu; Rieffel 1981]
K群だけなら全 \(\theta\) で同じである。したがって K理論は強力だが、\(A_\theta\) を単独で完全分類しない。順序、単位類、trace pairing などを加えることで \(\theta\) の情報が見え始める。
11.11 群 \(C^*\)-環:対称性を作用素にする
離散群 \(G\) の有限台複素関数全体 \(\mathbb C[G]\) に
\[ (f*g)(x)=\sum_{y\in G}f(y)g(y^{-1}x), \qquad f^*(x)=\overline{f(x^{-1})} \]
を入れる。これは群の積を線形化した *-代数である。
full group \(C^*\)-algebra
すべての unitary representation \(\pi:G\to U(H_\pi)\) にわたるnorm
\[ \|f\|_{\max}=\sup_\pi\|\pi(f)\| \]
で \(\mathbb C[G]\) をcompletionしたものを \(C^*(G)\) と呼ぶ。
reduced group \(C^*\)-algebra
\(\ell^2(G)\) 上の左正則表現
\[ \lambda_g\delta_h=\delta_{gh} \]
だけから得るnormでcompletionしたものを \(C_r^*(G)\) と呼ぶ。常に標準的な全射
\[ C^*(G)\twoheadrightarrow C_r^*(G) \]
がある。
群 \(G\) が amenable ならこの写像は同型である。逆も離散群について成り立つ。一方、非amenable群では一般に full と reduced は異なる。この区別は「表現を全部記録するか、正則表現から見える部分に絞るか」の違いである。
たとえば
\[ C^*(\mathbb Z^2)\cong C(\widehat{\mathbb Z^2})\cong C(\mathbb T^2) \]
である。ここでは \(\mathbb Z^2\) が可換なので通常の群 \(C^*\)-環も可換である。非可換トーラス \(A_\theta\) は、\(\mathbb Z^2\) の通常の群 \(C^*\)-環ではなく、位相因子を組み込んだ twisted group \(C^*\)-algebra \(C^*(\mathbb Z^2,\sigma_\theta)\) として記述される。このtwistを落とすと \(\theta\) の情報も非可換性も消える。
例えば基底元を \(W_{m,n}=U^mV^n\) と取れば、
\[ W_{m,n}W_{p,q} =\sigma_\theta((m,n),(p,q))W_{m+p,n+q}, \qquad \sigma_\theta((m,n),(p,q))=e^{-2\pi i\theta np}. \]
結合法則は \(\sigma_\theta\) の2-cocycle条件に対応する。これにより、関係式とtwisted convolutionの「位相因子」が同じデータであることが明示的に分かる。[Davidson; Connes NCG]
11.12 交叉積:空間と運動を同時に記録する
一般に locally compact group \(G\) が \(C^*\)-環 \(A\) に自己同型 \(\alpha_g\) で作用するとき、交叉積 \(A\rtimes_\alpha G\) は \(A\) と \(G\) の unitary representation を
\[ u_g a u_g^*=\alpha_g(a) \]
で結びつける。
この構成には full と reduced の二版がある。
\[ A\rtimes_{\alpha,\max}G,\qquad A\rtimes_{\alpha,r}G. \]
amenable group、特に \(G=\mathbb Z\) では両者は一致する。そのため \(A_\theta\) では区別が表面化しないが、一般のgroup actionでは省略できない。
交叉積が記録するものは次の三層である。
- \(A\): 元の空間または非可換空間上の関数。
- \(G\): 対称性、時間発展、軌道。
- 共変関係: 関数と運動がどう相互作用するか。
次章では、軌道空間 \(X/G\) が位相空間として情報を失う場合にも、\(C_0(X)\rtimes G\) が作用の情報を保持することを見る。
11.13 この例から何を一般化したのか
非可換トーラスでは、古典幾何の各構造が次のように翻訳された。
| 古典トーラス | 非可換トーラス |
|---|---|
| \(C(\mathbb T^2)\) | \(A_\theta\) |
| \(C^\infty(\mathbb T^2)\) | \(\mathcal A_\theta\) |
| Haar積分 | \(\tau\) |
| 二つの偏微分 | \(\delta_1,\delta_2\) |
| 二つの基本円周 | \([U],[V]\in K_1\) |
| vector bundle | projection / finitely generated projective module |
| Dirac作用素 | \(\delta_1,\delta_2\) から作る \(D\) |
これは単なる類推表ではない。それぞれ trace、derivation、K-theory、spectral triple という代数的・解析的構造として定義され、\(\theta=0\) で通常の幾何へ戻る。
同時に、何でも一つの \(C^*\)-環から自動的に出るわけではない。滑らかな部分代数、trace、微分、Dirac作用素は追加データである。同じ \(C^*\)-環にも異なる幾何構造を載せ得る。
11.14 章末の確認
- 円周回転の共変関係から \(UV=e^{2\pi i\theta}VU\) を導け。点への作用と関数への作用で符号が変わる理由も説明せよ。
- \(\theta=0\) で \(A_0\cong C(\mathbb T^2)\) となる理由を普遍性から説明せよ。
- \(A_\theta\) と \(\mathcal A_\theta\) の役割の違いを述べよ。
- 標準traceがFourier係数 \(a_{0,0}\) を取る理由を交叉積の条件付き期待値から説明せよ。
- \(\delta_1,\delta_2\) が bounded とは限らないことは、なぜ定義域の指定を必要にするか。
- irrational \(\theta\) のときの simplicity と unique trace は、それぞれ力学系のどの性質と関係するか。
- Pimsner–Voiculescu列で \(1-\alpha_*=0\) となる理由を説明し、K群を計算せよ。
- \(K_0(A_\theta)\cong K_1(A_\theta)\cong\mathbb Z^2\) だけでは \(\theta\) を区別できない。どの追加不変量が必要か。
- full group \(C^*\)-algebra と reduced group \(C^*\)-algebra の定義の違いを述べよ。
- \(A_\theta\) が \(C^*(\mathbb Z^2)\) そのものではない理由を説明せよ。
11.15 参考文献
- Marc A. Rieffel, “C-algebras associated with irrational rotations,” Pacific Journal of Mathematics* 93 (1981), 415–429. DOI: 10.2140/pjm.1981.93.415
- M. Pimsner and D. Voiculescu, “Exact sequences for K-groups and Ext-groups of certain cross-product C-algebras,” Journal of Operator Theory* 4 (1980), 93–118. EuDML
- Kenneth R. Davidson, C-Algebras by Example*, AMS, 1996. DOI: 10.1090/gsm/006
- Dana P. Williams, Crossed Products of C-Algebras*, AMS, 2007. DOI: 10.1090/surv/134
- Alain Connes, Noncommutative Geometry, Academic Press, 1994. 著者公開PDF
- José M. Gracia-Bondía, Joseph C. Várilly and Héctor Figueroa, Elements of Noncommutative Geometry, Birkhäuser, 2001. DOI: 10.1007/978-1-4612-0005-5