付録D 数値実験仕様

付録D 数値実験仕様

STATUS: この節の主張は、定理・引用定理・発見法・予想を区別して読む。 STATUS: スケーリング極限や連続極限のうち本章で証明していない入力は、本文中で外部入力として扱う。

数値実験を定理として扱わない

数値実験は、直観を作り、式を検算し、図版を理解するために使う。定理の証明として扱わない。特に、SLE の見た目が percolation 探索経路に似ていることは、percolation -> SLE\(_6\) の証明ではない。

Loewner 成長の数値実験

目的: 駆動関数 \(U_t\) と hull 成長の対応を見る。

仕様:

項目 内容
algorithm backward Loewner または slit-map composition
input \(\kappa\)、時間刻み \(\Delta t\)、乱数 seed
output trace 近似、駆動関数グラフ、容量時間
validation \(\kappa=0\) で縦スリットに戻ること、刻みを半分にして形が安定すること
warning forward / backward の違いを図に明記する

\(\kappa=2,4,6,8\) 比較

目的: 幾何相の違いを視覚化する。

仕様:

\(\kappa\) 見る点
2 単純曲線に見えること
4 境界飲み込み閾値に近いこと
6 自己接触と hull の飲み込み
8 空間充填的な挙動

図の caption には、これは数値的証拠であり、相の定理の証明ではないことを書く。

Bessel 境界到達実験

目的: \(X_t=g_t(x)-U_t\) の 0 到達が \(\kappa=4\) を境に変わることを観察する。

仕様:

項目 内容
SDE \(dX_t=2X_t^{-1}dt-\sqrt{\kappa}dB_t\)
stopping \(X_t\le\epsilon\) または \(X_t\ge R\)
output 到達確率の推定、sample path
validation \(\kappa\le4\) と \(\kappa>4\) の差を見る
warning Euler 離散化は 0 近傍で不安定なので停止を明記する

ループ消去アニメーション仕様

目的: ランダムウォークから LERW が時間順に作られることを示す。

仕様:

項目 内容
input 格子領域、始点、終点、seed
process ランダムウォークを生成し、ループができるたびにその区間を削除
output 元の walk、消された loop、残る path
validation 残った path が自己交差しないこと